技術情報

2011年07月29日

「非破壊試験による鋼製防護柵の根入れ長測定要領(案)」とiTECS

iTECS を使用した防護柵支柱根入れ長測定

 平成22年3月31日,国土交通省大臣官房技術調査課は「防護柵設置工の施工における出来形確保対策について」と題した通達を発表し,鋼製防護柵(ガードレール等)の出来形管理を非破壊試験による根入れ長を測定することが正式に義務付けられました。 当研究会では,iTECS技術協会主催の「iTECS を使用した防護柵支柱根入れ長測定講習会」を参加して技術合格者が数名おり,非破壊試験による鋼製防護柵(ガードレール等)の根入れ長を測定する準備を整えました。

 測定は「非破壊試験による鋼製防護柵の根入れ長測定要領(案)」に準じて行います。

 

2011年07月12日

配筋状態及びかぶり測定

 国土交通省は2005年より,国土交通省所管の新設の橋梁上下部工事すべてに対し,配筋やかぶりの品質管理を試行導入するよう通達しており,2006年から本格運用になりました。測定方法は,国土交通省通達の「非破壊試験によるコンクリート構造物中の配筋状態及びかぶり測定要領(案)」に準拠します。また,鉄筋測定要領を補完するための資料は,独)土木研究所のHPに掲載され,具体的な測定方法は,「電磁波レーダ法による比誘電率分布(鉄筋径を用いる方法)およびかぶりの求め方」,「電磁誘導法による近接鉄筋の影響の補正方法」および諸解析プログラムに準拠します。
 なお,配筋やかぶりの計測は,社団法人 日本非破壊検査工業会(NDT)主催の「コンクリート中の配筋探査技術講習会」において,技能を習得した資格者によって実施されます。

※通達:国 官 技 第294 号【非破壊試験を用いたコンクリート構造物の品質管理手法の試行について】.pdf

 当研究会でも,コンクリート構造物の配筋探査技術者の資格試験に合格した技術者が数名在籍しており,これまで既に多数の実績を積んできました。 使用機器は下記の通りです。

2011年07月06日

非破壊試験現場レポート(新設橋梁編)

 平成22年6月,熊本土木事務所発注工事にて,熊本県での工事現場では初めてとなる非破壊試験等が実施された。これは熊本県土木工事施工管理基準2-2出来形管理基準【1共通編5章 無筋鉄筋コンクリート「組立て」測定基準 注3)新設のコンクリート構造物(橋梁上部工・下部工)の鉄筋の配筋状況及びかぶりについては「非破壊試験によるコンクリート構造物中の鉄筋状態及びかぶり測定要領(案)」を適用する。】に準じて行った実例です。
 本現場では,国土交通省の微破壊試験-外部供試体(ボス試験)及び非破壊試験の衝撃弾性波試験(iTECS法:強度試験)も実施された。
 以下に,実施状況写真および配筋状態・ボス試験・強度試験結果も参考として紹介します。なお,画像をクリックすると,原画サイズのイメージをご覧になれます。

①配筋探査 ~電磁波レーダ探査状況~/ ~画像例~





②ボス試験 ~ボス割取り状況~/~強度判定結果~





③強度試験 ~衝撃弾性波法(iTECS法)による強度試験状況~/~判定結果一覧~








~源嶋 幸治 監督さんから一言~
 本工事において,鉄筋の配筋状態及びかぶり管理に関して熊本県土木工事施工管理基準に準じて実施した感想は,鉄筋位置やかぶりなどがコンクリート打設後に非破壊(電磁波レーダ)で判断できることを実感した。また,橋台下部工のフーチングにおけるボス型枠の取り付けから強度判定,衝撃弾性波法(iTECS法)による強度試験でコンクリートの品質確認ができたことは私自身としても国発注工事以外でも取り入れ,品質管理に携わって行きたいと感じました。


 その後,源嶋氏は相良村発注工事の「平成22年度 村道廻谷線道路改良工事(橋梁下部工)」においても相良村へ技術提案して非破壊試験を実施されてもいます。その強度試験写真も掲載しておきます。

 

 最後に,味岡建設㈱は天草地域振興局発注 国道324号地域連携推進改築(知十橋下部工その2)工事でも熊本県土木工事施工管理基準に準拠し,配筋状態及びかぶり測定を実施されています。


~木下 孝幸 監督さんから一言~
 熊本県土木工事施工管理基準の出来形管理基準において提示してあり,私も初めて実施しました。このようにコンクリート打設後において,配筋状態やかぶりが確認できることは品質管理する上で,有用な技術と感じましたので,今後も取組んでいきたいと思いました。



2011年07月05日

iTECSとは_NETIS登録技術(QS-040028-A)

iTECS(弾性波レーダシステム)は,衝撃弾性波法によるコンクリート構造物の健全性診断装置です。本システムはインパクター(直径10~30mmの鋼球)、またはセンサー付きインパクター,センサー(加速度計内蔵)及び制御用PCによって構成されます。

衝撃弾性波法は,コンクリート板の厚さ方向での波動の多重反射によって生成される固有振動数を計測し,「厚さ」を算出する技術です。この基本原理を応用しコンクリート構造物の内部欠陥,弾性波速度(強度推定),厚さなどの検知だけでなく,PC橋のシースの位置,充填度合いの推定などが可能です。また,縦弾性波の回折伝搬特性を利用し,ひび割れ深さの測定と,2ch間の波動の伝搬遅延時間を測定することにより,コンクリートの縦弾性波速度の測定を行います。弾性波速度とコンクリート強度には一定の関係があり,この関係を利用してコンクリートの圧縮強度推定にも応用されています。

操作方法は至って簡単。センサーを測定面に軽く押し付けて,その近傍をインパクターで打撃するだけです。インパクターにより人工的に発生させた衝撃により,コンクリート内部を伝搬する弾性波を観測し,弾性波の伝搬時間,反射時間などを測定し,コンクリート表面・内部の状況をコンクリートを壊さないで検査します。

 国土交通省NETIS登録No. QS-040028-A  (2005.3~)

 日本非破壊検査協会規格: NDIS 2426-2

本組合が作成したiTECSのパンフレットは下記からダウンロードできます。  





2011年07月04日

コンクリートテスター(CTS-02)

 コンクリートテスター(CTS-02)はConcreteTest andSurveyor Type2の略称で,日東建設株式会社によって開発され,テストハンマーと打音法(点検ハンマー)両方の機能を有し,強度推定・劣化度合いの検知・剥離浮きの検知が可能な多機能型検査装置です

 2010年12月現在の販売台数は,韓国,アメリカを含めて270台を超えています。

 国土交通省NETIS登録No.  HK-060013-A   (2006~)

 農林水産省系新技術登録No. ARIC-261


CTS-02img.png

本組合が作成したパンフレットはこちらからダウンロードできます。





2011年03月01日

微破壊・非破壊試験による新設の構造体コンクリート強度測定要領(案)(H22)

 平成18(2006)年より,国道交通省が「微破壊・非破壊試験を用いたコンクリートの強度測定の試行について」,平成21年3月31日には「微破壊・非破壊試験によるコンクリートの強度測定を用いた品質管理について」を発表し,コンクリート構造物の品質確保及び監督・検査の充実のため,コンクリートの強度測定要領は本格運用の運びとなりました。

 (独)土木研究所では各試験法の測定要領(案)をホームページに掲載され,毎年修正されています。主な修正点は(独)土木研究所のホームページhttp://www.pwri.go.jp/jpn/seika/conc-kyoudo/conc-kyoudo.htmlを参照ください。また,測定者の要件,証明書を交付している機関と有資格者が掲載されているサイトも示しています。

 なお,本組合の有資格者に関しては,

非破壊試験(衝撃弾性波法-iTECS法)では,(独)土木研究所HP
http://www.pwri.go.jp/jpn/seika/conc-kyoudo/goukaku.htmlに,

微破壊試験(外部供試体-ボス供試体)では,千代田建工(株)HP
http://www.boss-shiken.com/jigyousyomeibo.pdfに掲載されています。

2007年06月30日

土木研究所から非破壊試験などの要領(案)発表

6月20日、独立行政法人土木研究所から、「非破壊試験によるコンクリート構造物中の配筋状態およびかぶり測定方法(2007年度)」と「微破壊・非破壊試験による新設の構造体コンクリート強度測定要領(案)(2007年度)」が発表されました。

「非破壊試験によるコンクリート構造物中の配筋状態およびかぶり測定方法(2007年度)」
「微破壊・非破壊試験による新設の構造体コンクリート強度測定要領(案)(2007年度)」