弾性波を利用したコンクリート構造物の非破壊診断です。コアサンプルによる試験を行わずに、簡単にコンクリートの厚さや内部状況、表面強度(弾性率)指標、コンクリートの強度推定等を算出します。
衝撃弾性波診断方法
iTEC-4を用いてセンサーブロックを測定面に軽く押し付けて打撃するだけの簡単な測定です。
ある程度スムーズなコンクリート表面であれば、表面処理などの特別な処理は必要ありません。
■測定装置(iTECS-4)
測定装置は、インパクター、センサーブロック、アンプ部及び制御用のPCによって構成されます。
インパクターは、質量5gから30gの鋼球でコンクリート表面を打撃します。インパクターは、測定したいコンクリートの厚さにあわせて選択します。センサーとして、加速度計を使用します。加速度計はセンサーブロックにマウントされており、これをコンクリート面に押し付けて測定します。
従来の加速度測定のように加速度計を接着剤でコンクリートの表面に取り付ける必要はなく、より高速での測定が可能です。
■コンクリートの厚さ・内部欠陥の測定
弾性体の表面に発生した波動は、弾性体の内部に伝搬します。右図のような弾性板では、厚さ方向に多重反射します。
ほとんどの場合、波動は打撃テント観測点の相田で反射を繰り返し、超音波のように入力の周期が短い場合には右図上に示すように周期的な波動が測定されます。しかし、弾性波では波長が長く一般的には入力と反射波、また反射波と次の反射波は重なってしまい、波形信号のみではこの周期を分別することは困難です。
そこで、波動の周期性を周波数スペクトル解析によって求め、
D=Vp/2f0
として、厚さDを求めます。ここでVpは、弾性波の伝搬速度、f0は共振周波数です。
厚さの測定では、測定時間の長さの決定が重要です。iTEC-4では、まず時間窓MEM解析を用いて、打撃してからの時間経過と測定波形の周波数スペクトル密度の関係を求めます。
実構造物のように面積が広く、かつ内部に欠損がない場合には図(c)のようにどの時刻でも構造物の厚さに相当する位置にスペクトルのピークが見られます。ところが、内部に欠陥がある場合には、図(d)のように複数の位置にスペクトルのピークが発生します。
また、部分時間でのスペクトルを見ると、図(e)が得られ、欠陥は大きくないものと判断されます。
■弾性波速度Vpの測定
弾性波速度は、規定サイズのインパクターで打撃したときの鋼球接触時間によって推定します。鋼球接触時間は、測定対象のコンクリートの弾性率によって異なります。弾性率の高いコンクリートでは鋼球接触時間が短くなり、弾性速度が速くなるという性質があります。
一般に、弾性速度の速いコンクリートは、強度が高いという傾向がありますので、鋼球接触時間からコンクリートの品質を推定することが出来ます。また、コンクリートの浮きや剥離などの判定をリアルタイムで行うことが出来ます。
■電磁波レーダー法
マイクロ波帯の電波が媒質中を一定速度で直進し、物体に当たると反射してくる性質を利用して、物体の位置評定をする試験である。
元来、電波はコンクリートや地中内部では通過しないと考えられているが、コンクリートの場合は表面から数十cmのごく浅いところまでは通過可能で、内部にあるコンクリートと異質の物体の位置標定をすることができる。
電磁波を送信アンテナからコンクリート内部に向けて放射する、電磁波はコンクリートと電気的性質の異なる物質、鉄筋、空洞などの表面で反射され、再びコンクリートの表面に戻ってくるので、受信アンテナで受信される、電磁波を送信してから受信するまでの時間を測定することによってかぶり(コンクリートの表面から鉄筋までの距離)が測定できる。
アンテナを移動して鉄筋からの反射波を受信すれば、鉄筋の「位置」が測定できる。